元外資コンサルワーママの新生活@白馬

元外資系コンサルマネージャー。小2・小1の年子娘、柴犬・ゴールデンレトリバーを連れて憧れの白馬に移住。白馬村地域おこし協力隊。

「教育大国シンガポール」を読んで、学生としてシンガポールに20年前過ごした日々を思い出しました

中野円佳さんの『教育大国シンガポール~日本は何を学べるか』を読み、自分自身も幼少時代にシンガポールに住んでいた子育て中の親という立場で思ったことをお伝えできればと思います。


 

 

本の内容については、筆者が実際にインタビューを実施した内容をもとに書かれていました。
内容については、実際本を読んでいただいた方がよいかと思うので、自分が幼少期をシンガポールで住んで実際に感じたことと、一応タイトルにもあるように「日本は何を学べるか」という問いに対しての自分の考えをお話できればと思います。

 

まずは、実際私が20年ほど前に感じたことです。
私が住んでいたころのシンガポール(1990年終わりから2000年中盤)は絶賛バブル期で、今皆さんが想像するシンガポールの景色がつくりあげられてきた時期でした。

シンガポール50年の歴史 - Visit Singapore 公式サイト

 

私は現地校ではなく、インターナショナルスクールに通っていたので、本にも説明があるようにシンガポール人とはほぼ交流を持たず、むしろ日本に帰ってきてから知り合った人の数のほうが多いくらいですが、やはり同じ土地で暮らしてはいました。
なぜこの前置きをするかというと、現地校とインター校の子供たちの過ごし方は全く異なるからです。
平日の放課後に街を歩いているのはインターの子供たちのみです。
週末映画館にいるのもインターの子供たちのみです。
基本的にインターの子供たちは「遊んでいて」、現地校の子供たちは街にいません(いたとしても、学校のリュックを背負って、手には分厚い教科書を数冊持っています)。


現地校の子供たちは「がり勉!」という感じです。。
全員ではないと思いますが、子供特有の活気がないのですよね。。
日本でSAPIXに通っている子供たちであってもまだ活気あると思うのですが、シンガポールの子供たちはなんというかどんよりしています。。
筆者の方が冒頭で少し述べていたように、日本のように自然豊かな場所ではないからというのも理由の一つかもしれないです。
当時の私は遊びまくりながら横目でかわいそうな人たちだ、と少し思っていました。
本を読んでみると、やはりシンガポールの子供たちもそれなりの事情があって勉強して、真面目でいることを求められているのだと納得しました。


二つ目に、日本が何を学べるかということですが、私が本を読み進んでいく上で感じたのは、「ヒトという生き物は生物学的な性による役割があるのではないか」という点です。
最近色々話題になっていますが、LGBTQコミュニティについて私は肯定派です。ただ、お話をする上で少しややこしくなってしまうので、一旦生物学的な性別を踏まえてお話を進めさせていただければと思います。

 

メスにはオスには備わっていない「母性」があるというのがすべての説明になるのではと感じています。
例えば、コミュニティの中でいろいろな情報を入手するのもメスの特徴だと思いますし、「子供と一緒に時間を過ごしたい」という気持ちが芽生えるのもメスの特徴なのではないかなと思います。
本書では、シンガポールは職場における男女差別は特にないのにもかかわらず、学童期になるとお母さんたちが仕事を辞めて、子供の勉強を見る係になるということが書かれていました。
そのような選択をするお母さんたちは子供とより多くの時間を過ごせるようになることを喜ぶし、実際、受験等の情報はお母さんではないとママ友同士でのコミュニティでしか情報をゲットできないとのことも書かれていました。

 

日本政府は今女性の社会進出を後押しするような政策をいろいろと検討しているようですが、一体どれくらいのお母さん(メス)が本当に子供との時間を犠牲にして働きたいかを考えたほうが良いのではないかなと思いました。
実際に私は、子供との時間に支障が出ない範囲内で働きたいと思っています。
なので、いまだに時短勤務で働いていますし、子供の用事のために仕事をよく中抜けしています。
正直なところ、その生活ができなくなったときは私の仕事の辞め時かなとすら思っています。

 

女性の管理職を増やす活動よりも、男女ともに人間的な生活ができる社会をつくりあげるほうが良いのではないかと思ってきました。

 

実際、シンガポールは男女平等だからこそ、お父さん・お母さんそれぞれがやりたいことを選択し、お母さん(メス)の場合はそれが子供と一緒に時間を過ごすということになるのではないかと。
男女平等が進んでいない環境であれば、仕事を「諦めて」こどもと一緒にいるという考えになりがちですが、仕事をする選択肢も残されているのであれば本当にやりたいことを選択できるのではないかということです。
もちろんすべてのお母さんがそうではないと思いますが、今実際ワーキングマザーとして働いている身からすると、「共働きであっても子供のために苦労するのはいつも女性だ」という空気が常に流れているような気がしています。


具体的には、労働時間をコントロールする(そのためにはもちろん組織・個人の生産性をあげる必要があります)、給料を上げる(ここで男女間で差が出るのはありえないです)、休みを取りやすくする(男性であっても女性であっても)、金銭的な子育て支援(主に学校にかかわるところでしょうか)などが考えられると思っています。

コンセプトとしては、女性であっても価値のある仕事に就ける社会、そして、育児に限らず、介護であっても何かあったときに片働きでも成り立つような社会が理想かなと思います。


そういえば、先日子供の引っ越し先の幼稚園の見学で、URの団地に行く機会があったのですが、とても活気のある団地で、老若男女が平和に暮らしている光景を見ました。
正直団地と聞くと、年寄りの方しか住んでいない、活気のないイメージでしたが、そのようなイメージが180°覆され、このような場所で子育てしたらあと一人生みたいと思える社会につながるんだろうな、とたまたま子育て支援の一つとして住宅支援の話が出たタイミングと一緒だったことから、ふと考えてしまいました。